医療現場で外国人観光客との意思疎通が課題となっていることを受け、沖縄県は1日から、電話で通訳を行う「Be.Okinawaインバウンド医療通訳コールセンター」を開設した。観光業者や医療機関がセンターに電話することで、365日24時間体制で通訳サービスを受けられる。外国人の受け入れ環境を整えるとともに医療関係者の負担軽減を狙う。
センターは英語や中国語、韓国語など6カ国語の通訳に対応。費用は通話料のみ。問い合わせの集中を避けるため、センターの番号を伝えるのはホテルや観光施設などの観光事業者、医療機関、消防機関に限定する。
2017年に沖縄を訪れた外国人客は前年比22・1%増の約254万人となり、医療需要も伸びている。
16の医療機関が参加した16年度の実証実験では、外国人の医療ニーズで多かったのが風邪やけがなどの軽い症状だったため、診療所も対象とするよう要望があった。今回の事業では対象を県内約千の医療機関に拡充した。医療現場では治療方針や医療費を巡るトラブルも起きており、専門家が通訳することでトラブルを減らせると期待する。
県の嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長は「コールセンターを活用して医療の負担軽減につなげてほしい」と活用を呼び掛けた。
事業者向けコールセンター番号などの問い合わせは運営事務局(電話)098(868)5230。(知念征尚)