[ココロ・カラダ不思議つながり]52 なぜウンチするの? どうして臭い?


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Q.なぜウンチするの? どうして臭い?

 

 今日の質問は、「人はなぜ、ご飯を食べたり水を飲んだりした後に、いらない物を固めて外へ出すのですか」「なぜウンチは臭いんですか」

 です。小学5、6年生のみなさんからです。

A.いらないもの 固めて外に

 

 全ての生き物は、外から栄養や水、酸素を取り込んで自分の身体を作ったり、動かしたり、子孫を残したりします。その過程でいらない物は外に出しますが、人もこのような活動をする生き物です。食べ物や水は口から入り、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸を通っていきます。食べ物は、最初に入った口の中で歯に噛まれて細かくなり、唾液と混ざります。その後も、それぞれのところで出てくる液と混ざって消化・吸収されていきます。

 肛門から出てくるウンチの80%が水分です。20%の固形物の3分の1は食べ物のカス、3分の1は剥がれた腸の壁の細胞、3分の1は腸の中にいる菌です。腸にはおよそ1000種類・100兆個以上もの菌がいると言われ、これらを腸内細菌と呼びます。おとなの身体の細胞はおよそ60兆個だから、腸内細菌はとても多いことが分かりますね。

 腸内細菌には良いものと悪いものがあります。良い菌は消化・吸収を助け、病気から身体を守る働き(免疫)を強くするなど、健康を保つたくさんの働きをしています。逆に悪い菌が増えると、腸の壁を攻撃して消化・吸収の働きが悪くなるだけでなく、アレルギーやガンを含むさまざまな病気が起きやすくなります。

全部臭くはない

 さて、ウンチは必ず臭いわけではありません。

 ウンチって「便」とも呼ぶよね。「お便り」と書いたら、これは何て読む? そう、「おたより」。ウンチは腸の様子を教えてくれる身体の中からの手紙・お知らせなのです。

 良い菌は、食物繊維を多く含む野菜・海草・キノコ・豆類が大好きです。なので、こういう食材を含むバランスの良い食事をしていると、ウンチはバナナのような長さで明るい茶色になります。無理に力を入れなくても楽に出るし、臭くありません。赤ちゃんの腸には良い菌のビフィズス菌が多いので、ウンチは甘酸っぱいにおいがするんですよ。

プレビュー

色や形を見よう

 食物繊維が少なくお肉などが多い食事だと、水分が少なく硬い黒っぽい茶色のウンチになります。力を入れないと外に出せないので、腸や肛門を傷つけてしまうこともあります。油をたくさんとると水分が多いビショビショのウンチになります。硬くて黒っぽい茶色ウンチもビショビショウンチも、悪い菌が腸の中で増えている状態なので臭いです。

 しっかりとウンチの様子を観察して、自分の腸と身体の健康を保つのに活かしてくださいね。

徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。

 心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。

 新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。
 

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ココロ・カラダ不思議つながり

 
徳永桂子・著/上原明子・イラスト
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