名義貸し被害660人超 沖縄県内、総額3億円か


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 県内で20代大学生らを中心に広がる「名義貸し」被害で、被害者の若者が660人以上、被害額が少なくとも約3億円に上る可能性があることが14日、分かった。沖縄名義貸し事件被害弁護団は「全国でも前例がない規模だ」と危機感を募らせている。

 若者の名義を使って金を受け取った男性は自己破産申し立ての手続きをしており、那覇地裁は18日に浦添市のてだこホールで第1回債権者集会を開く。

 弁護団によると、那覇地裁に提出された破産手続き開始の申立書に、債権者は660人以上、債務残額は約3億円などと記されていたという。債務残額のほか「不明額」の記載もあるとされる。

 名義貸し問題では、「消費者金融で借りた金を預けると報酬がもらえる」などと話を持ち掛けられた若者がキャッシュカードを男性に預けたが、返済が滞り借金を背負ってしまう事態となっている。

 沖縄弁護士会の有志が昨年9月に弁護団を結成し、これまで4回の説明・相談会を開き、約200人の若者が参加した。一方、弁護士が金融機関と話し合い、利息減額などを行う「任意整理」といった救済方法を依頼した若者は約30人にとどまるという。

 弁護団によると、同様の手口の名義貸しは約10年前から全国で問題化。弁護団は「同じ事件が起きた時に引っかからないよう、学校などで消費者教育に注意を払ってほしい」と呼び掛けている。

 弁護団のブログ(http://okinawalaw.ti-da.net/)でも情報発信している。