経済

「はいたいコラム」 旬野菜買って社会を健全に

 島んちゅのみなさん、はいたい~!野菜はお好きですか。このところ、ずっと高騰していた野菜相場が4月に入って急落しました。日本農業新聞(4月13日付)によると、4月上旬の野菜入荷(大手卸7社の平均)は、過去5年間で最も多く、価格は16%安くなっています。200円の野菜が168円になるのですから、消費者としてはうれしいですよね。特に豊作なのは白菜、レタスなどの葉物やキュウリなど。みなさん、今こそどんどん野菜を買って食べましょう!

 ところが!同新聞によると、首都圏のスーパーや卸売会社では「割高感が払拭(ふっしょく)され」ず、「需要が伸び悩み、過剰感がより強まっている」というのです。せっかく安くなったのに、消費者サイドにその情報が伝わっていないというわけです。

 考えると、「天候不順で野菜高騰」のニュースはあっても、「好天で野菜安価」というニュースはあまり聞いたことがありません。順調でうまくいっていることは当たり前と見なされ、報道されないのです。しかし、果たしてそれは本当に当たり前でしょうか?

 ここ数年の気候変動や予期せぬ災害の発生を考えると、「天候に恵まれ、とれ過ぎて余るほど野菜が店頭に並ぶ」ことは珍しく、しかも多くの人々をハッピーにする重要なニュースなのではないでしょうか。「好天と気温上昇」は太陽の力ですから、農家に経費はかかりません。何より、野菜は旬がおいしいに決まっています。ご存じの通り「旬」という言葉の意味は、わずか10日間を指します。消費者のわたしたちが旬で安くなっている野菜を買えば、お財布も、生産者も喜びます。ニュースになろうがなるまいが、一人一人が情報を自分で取りに行く時代です。売れ残って廃棄するような事態になれば、産地の衰退を招きかねません。

 日々の積極的な消費行動から、社会の未来を変えて行く人たちのことを、エシカルコンシューマー(倫理的な消費者)や、グリーンコンシューマー(環境に配慮した消費者)と呼びます。旬の野菜を買うことはあなた自身や家族を健康にするだけでなく、社会も地球も健全にするのです。

 風が吹いたら桶屋(おけや)が儲(もう)かる。気象と市場を表したうまい言葉ですよね。持続可能な消費とは、身近な1アクションが社会と密接につながっていることに気づくことからです。

(フリーアナウンサー・農業ジャーナリスト)

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小谷あゆみ(こたに・あゆみ) 農業ジャーナリスト、フリーアナウンサー。兵庫県生まれ・高知県育ち。NHK介護百人一首司会。介護・福祉、食・農業をテーマに講演などで活躍。野菜を作るベジアナとして農の多様性を提唱、全国の農村を回る。

(第1、3日曜掲載)