厨房施工 女性の目で 初の国家資格取得 佐和田鮎美さん


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厨房の配置図案を広げ、オーナーの山田絢平さん(右端)らと打ち合わせする佐和田鮎美さん(左)=嘉手納町水釜

 女性ならではの視点で厨房(ちゅうぼう)をより機能的に―。厨房機材などのリユース業「ニコニコ商事」を営む佐和田鮎美さん(41)=宜野湾市=が、国家資格の厨房設備施工技能資格試験1級に合格した。沖縄県内の女性では初めて。業務用の厨房設備工事の施工に必要となる技術・知識を身に付け、改装やオープンを控える飲食店に機能的かつスタイリッシュな厨房デザインを提案する。

 技能試験では、厨房設備の計画立案力のほか消防法や食品衛生法などの知識、実技では機材の配置やガス管施工技術なども求められる。県職業能力開発協会の担当者によると県内の資格保有者は4月現在54人だが、受験者は「極端に男性に偏っている」という。

 佐和田さんは夫・勝さん(45)が社長を務めるニコニコ商事で設計図案作製などを手伝ってきたが、現場での経験を重ねるにつれ「より専門知識が備われば、顧客の思い描く店を具現化できる」と痛感し、昨年から資格取得に向け猛勉強を開始。2度目の挑戦で今年、勝さんと共に合格をもぎ取った。

 資格取得後初の大仕事は、嘉手納町水釜で7月にオープン予定のインテリア・カフェバーの厨房施工とプランニングだ。店のオーナーで自ら内装も手掛ける山田絢平さん(30)は「顧客のニーズに耳を傾け、きめ細かな配慮ができるスーパーウーマンだ」と佐和田さんの仕事ぶりを評価する。

 「最近は工事現場でも女性の活躍が増えてきた」と喜ぶ佐和田さんは、家庭では主婦であり4児の母だ。「見た目が良く、使い勝手も抜群のキッチンがあれば、きっと顧客(飲食店)はお客さんにおいしい料理を提供できるはず」

 女性ならではの“目線と気付き”で、県内の飲食業界を支えていく。(当銘千絵)