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県民栄誉賞表彰式を見送り ボクシングの比嘉大吾、具志堅用高の両氏は辞退 沖縄県は授与の意向で2氏と調整へ

タイトルマッチの調印に臨んだ比嘉大吾(右)と具志堅用高会長=4月13日午後、都内のホテルグランパレス

 沖縄県の翁長雄志知事は17日に予定していたボクシングの比嘉大吾選手(22)=浦添市出身、宮古工高卒、白井・具志堅スポーツジム=と比嘉の所属ジム会長の具志堅用高氏(62)への県民栄誉賞の表彰式は見送ることを16日午後、文書でコメントを発表した。比嘉選手と具志堅氏から県民栄誉賞を辞退する意向が16日に示されたことを受けて、県内部で検討した。

 ただ翁長知事は発表したコメントで、県としては授与する考えを維持する意向を示した上で今後の対応については2氏と相談しながら進めていくとしている。翁長知事は文書の中で、「比嘉大吾選手はまだ若く、沖縄県民も今後に期待しておりますので、さらに精進し、これまで以上に活躍されることを期待しております」と比嘉選手にエールを送った。

 翁長知事は、発表したコメントで2氏から県民栄誉賞の辞退の申し出があったことを示した上で、「県としてはお二人のこれまでの素晴らしい活躍に対して、県民栄誉賞を授与することとしておりましたが、お二人の気持ちにも配慮し、明日は表彰式を行わないこととしました」と説明した。

 その上で「お二人には是非、県民栄誉賞を受けていただきたいと考えておりますので、今後の対応について、お二人とも相談しながら進めていきたい」とした。

 比嘉選手は14日の前日計量をパスできず、体重超過のため世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者を剥奪された。比嘉選手は15日、日本新記録となる16戦連続KOをかけてクリストファー・ロサレス(23)=ニカラグア=との試合に臨んだが、9回1分14秒TKOで敗れた。

 具志堅氏は比嘉の試合終了後、報道陣に対し、17日に表彰式が予定されている比嘉選手と自身の県民栄誉賞について「もらってもおかしいと思う。県民も辞退した方がよいと思っているだろう」とコメントしていた。

 比嘉選手は2月4日に沖縄で開かれた2度目の王座防衛戦に勝利し、師である具志堅氏も遂げられなかった沖縄での王座防衛戦勝利を成し遂げた。一方、具志堅氏は県出身者初のボクシング世界王者で、世界王座防衛13度(日本人王者最多記録)などの功績を残し、師としても比嘉選手の躍進に貢献した。翁長知事はこうした2氏の功績から2氏同時に県民栄誉賞授与することを2月20日の記者会見で発表していた。会見で翁長知事は「「比嘉さん(への授与)が最初に考えたことだが、いきさつからすると具志堅さんもご一緒してもらった方が今日までの沖縄ボクシングの栄光を表し、これからの県民に夢と希望を与える」と述べていた。

 県民栄誉賞は1999年に創設された。これまでに沖縄尚学高校と興南高校の野球部、車いす陸上の上与那原寛和さん、プロゴルファーの宮里藍さん、車いすラグビーの仲里進さんに授与している。翁長知事は2月20日の会見でことし9月の引退を表明した県出身歌手の安室奈美恵さん(40)にも同賞の授与を打診し、受諾の意向を受けたことを明らかにしていた。【琉球新報電子版】