ボクシング比嘉大吾、栄誉賞を辞退 県、式典見送りも授与調整


この記事を書いた人 大森 茂夫
試合開始前に比嘉大吾(右)に話し掛ける具志堅用高会長=15日、横浜アリーナ(大城直也撮影)

 沖縄県知事公室は16日、ボクシング・フライ級の比嘉大吾選手と、所属する白井・具志堅スポーツジムの具志堅用高会長への県民栄誉賞について、2氏から辞退の申し出があったとして、17日に予定していた表彰式は見送ることを決めた。翁長雄志知事は「お二人にはぜひ、県民栄誉賞を受けていただきたいと考えている」とのコメントを発表した。表彰式はいったん見送るものの、2氏への県民栄誉賞は引き続き授与する方向で調整する方針を示した。

 比嘉選手に対して翁長知事は「まだ若く、県民も今後に期待しているので、さらに精進し、これまで以上に活躍されることを期待している」と再起に向けてエールを送った。

 比嘉選手は3度目の防衛が懸かった15日の世界戦の前日、計量でフライ級の制限体重をクリアできずに王座を剝奪された。試合は実施されたものの、9回にセコンドが棄権を申し入れて敗北、連続KO記録も途絶えた。試合後、具志堅会長は県民栄誉賞について「もらってもおかしいと思う。県民も辞退した方がよいと思っているだろう」と述べていた。

 県は「お二人の気持ちにも配慮し、表彰式を行わないこととした」と発表した。県は具志堅氏も遂げられなかった沖縄での王座防衛などを記念し、師弟同時に県民栄誉賞を授与すると発表していた。