甘さ自慢のイチゴ「宙苺」狩り いかが? 有機肥料で栽培 八重瀬・ライズファクトリー


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安心・安全と甘さにこだわった「宙苺」を栽培する玉城昌広さん(左)と与那覇雅美さん=11日、八重瀬町玻名城

 【八重瀬】安心・安全でおいしいイチゴを作りたい―。農業生産法人ライズファクトリーはこのほど、沖縄県八重瀬町玻名城で2年目のイチゴ狩りをスタートさせた。「宙苺(そらいちご)」と名付けたイチゴは農薬をほとんど使わず、こだわりの有機肥料で育てる。栽培管理部部長の玉城昌広さん(44)=那覇市出身=と与那覇雅美さん(43)=宮古島市平良出身=は「とても甘く、イチゴ本来の味が楽しめる」と話す。イチゴ狩りは6月末までの予定だ。

 玉城さんは19歳から野菜やキクを作ってきた。イチゴは素人だったが、知人の紹介で八重瀬町玻名城のイチゴ農家から約300坪の施設を引き継ぐことになった。2016年に農業生産法人として5人でスタート。現在は玉城さんと与那覇さんを中心に4人で栽培する。

 玉城さんは、イチゴ栽培が野菜より農薬の種類が多いことを知った。「こだわったイチゴを作ろう」。できるだけ農薬は使わず、微生物が多い肥料で土を作る。

 「宙苺」は濃厚な甘みが口いっぱいに広がる「紅ほっぺ」と、甘さの中に爽やかさも秘めた「章姫(あきひめ)」の2品種。育て方で味が変わるそうだ。

 しかし、17年は虫と病気で被害を受けた。接客業をしていた与那覇さんは、友人の玉城さんから販売担当として誘われたが「去年は売るイチゴがなかった」と振り返る。現在は栽培に携わり、夏場は気温30度を超すハウスで「イチゴちゃん」と話し掛け、楽しみながら育てている。

 「宙苺」の売り上げ目標は年間約400~500万円。今年は約450坪の畑でチンゲンサイも栽培予定だ。玉城さんは「規模拡大も目指すが、農地を借りるのも難しく、経営面では厳しい」と現実を見据えた上で栽培法にこだわる。

 今年は3月からイチゴ狩りを始めた。「イチゴ嫌いな子が『おいしい』と腹いっぱい食べる姿を見ると、うれしい」。消費者の笑顔を原動力に、丁寧に「宙苺」と向き合う。

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 「宙苺」狩りは日曜を中心に実の成長で曜日が変動するため予約制。入園30分で中学生以上1500円、小学生千円、小学生未満は1家族2人まで無料、3人目から500円。予約は(電話)090(8669)6001。(豊浜由紀子)