【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米国防総省の性的暴行予防・対策室(SAPRO)は4月30日、2017会計年度(16年10月~17年9月)における、米軍内でのレイプや強制わいせつなど性犯罪に関する年次報告書を公表した。被害の報告件数は前年度比9・7%(597件)増の6769件で、07年度の調査開始以来、過去最多になった。増加率は海兵隊が最も高く、前年より14・7%増の998件だった。在日米軍で起きた被害が少なくとも35件(陸軍13件、海軍・海兵隊13件、空軍9件)報告されている。

 次いで海軍が9・3%増の1585件、空軍が9・2%増の1480件、陸軍が8・4%増の2706件となった。

 米軍では昨年、海兵隊員らが女性兵士のヌード写真をインターネットで共有する問題などが判明し、性的嫌がらせや性犯罪への対処が急務となっている。

 軍隊内の被害者5277人のうち、4193人が女性で前年度より13%増加した。男性は横ばいの1084人。報告された被害のうち、米国市民や外国籍の被害者は868人だった。被害者のうち、軍人は全体の8割、軍人から被害を受けた民間人は19%だった。

 同省は件数の増加は「前進」であり、支援体制に対する認知と信頼が高まり、被害を報告しやすい環境が整ったことの反映だと指摘。今後も防止策に取り組むと説明した。

 一方、法的措置に訴えた被害のうち、軍法会議に訴えたのは53%と、13年度の71%より減少。同省は「法廷での証言は被害者にとってつらいことであり、上官の行政措置で対応することも増えているのではないか」と説明した。

 女性の軍人・退役軍人らの権利擁護団体、女性活動ネットワークのリディア・ワッツ代表は「報告件数の増加は裁判につながってこそ、うまくいったといえる」と指摘した。