那覇市、民泊の規制を拡大 条例案、県より厳格化 文教地区なども対象


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 沖縄県那覇市は住宅宿泊事業法(民泊新法)に関する独自の条例案をまとめ、2日の市議会臨時会に提案する。市の独自案では、規制区域を県条例で定める範囲から文教地区と第1種住居地域まで拡大。第1種住居地域では、家主や管理業者が常駐している民泊と不在型の民泊で規制に差をつけた。議会の審議を経て9日に議決される見通し。

 市条例案では、県条例と同様に住居専用地域(第1種・第2種低層住居専用地域、第1種・第2種中高層住居専用地域)を制限区域とし、年間営業日数を約110日としたことに加え、第1種住居地域で営業する家主、管理業者不在型の民泊の年間営業日数を、日曜日正午から金曜日正午までの年間約110日と市独自で制限した。同地域の家主居住型や管理業者常駐型の民泊は、法律の要件を適用し年間180日とした。学校周辺の制限は学校敷地周囲100メートル内とする県条例の範囲に加え、文教地区まで適用範囲を広げ、営業可能日数を学校の休業日を除く年間約120日とした。

 県条例より規制の範囲を広げたことについて、市は民泊による住民トラブルや苦情の増加が背景にあると説明する。観光客が増える一方で「宿泊施設の不足が喫緊の問題ではない」とし、人口密度の高さや偏狭な土地事情など、那覇市独自の事情が市民生活に与える影響を考慮した。健全な民泊の普及を図ることを目的に、家主居住型や管理業者常駐型と、不在型で規制に差をつけた。学校周辺は、児童生徒の安全・安心な通学環境を維持することを目的に規制範囲を広げた。

 市は3月に市民説明会やパブリックコメント、関係団体からの意見聴取を行った。新里博一市健康部長は「地域住民の安心安全を最優先した内容だ」と話した。