玉城(美里)中学制す OTV杯争奪相撲選手権


社会
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中学の部個人決勝 体重を乗せた寄りたおしで追い込む玉城頼(右)=3日、那覇市の那覇港新港(嘉陽拓也撮影)

 相撲の第40回OTV杯県選手権大会は3日、那覇市の那覇港新港ふ頭特設土俵で行い、中学生個人の部で玉城頼(美里)が決勝で、与那覇大地(港川)を寄り倒し、初優勝した。高校生個人の部決勝は中部農林の同校対決となり、城間瑠正が仲里隆治を制して2連覇した。一般の部個人では山本浩太(沖縄ガス)が山城将吾(ディノス・セシールコミュニケーションズ)を破り、4連覇を達成した。山本は県外大学の在学中を除き、小学3年から中学、高校、一般を通し14大会連続優勝で、実力者ぶりを発揮した。中学団体は浦添Aが頂点に立ち、高校団体は中部農林Aが優勝した。

◆本気度証明 稽古の成果 玉城

 高校進学を見据えて今年3月から気持ちや態度を一新、稽古に本気じゃなかった自分と決別した玉城頼(美里)が、ようやく中学の部個人優勝をつかんだ。「強い先輩たちに負けてきたが、中学3年になりやっと優勝できた」と、稽古で人一倍汗を流してきた新王者が満面の笑みで喜んだ。

 決勝で戦った與那覇大地(港川)は「最近勝っている相手」だったが、立ち合いから自分の相撲とはいかなかった。前みつが取れずに慌てて、右の上手から回しを取ったが「めちゃくちゃになってしまった」。土俵を回りながら重心を下げて押し込み、最後は体重を乗せて寄り倒した。勝利の喜びもあったが、「もう少しちゃんとした相撲を取りたかった」と向上心を忘れなかった。

 小学4年から相撲を始め、強豪の中部農林高校に出向き稽古を続けてきた。成長する環境は十分だが「中学1、2年までどこか本気じゃなかった」。新たな年を迎え、同校の小濱寿監督や指導する元監督の木崎智久氏から、高校進学のためにも相撲だけでなく、学業や生活態度など自分を改めるよう助言を受けたころから、相撲との向き合い方が変わったという。

 その姿に小濱監督は「3月から稽古も毎日来て頑張っている。この大会で最も成長が感じられた選手だ」と評価し、玉城の健闘をたたえる。

 自分を見つめ直した結果、優勝という成功体験をつかんだ。玉城は「練習から思い切りやる先輩方を見習い、人一倍稽古していく。そして全国大会で活躍し、中部農林高校に進学したい」と目を輝かせた。
(嘉陽拓也)