世界遺産登録延期 首長ら「厳しい勧告」 驚き、体制再構築言及


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 国際自然保護連合(IUCN)が「奄美・琉球」の世界遺産登録の延期を勧告したことを受け、県内の候補地4町村の首長からは驚きや「厳しい勧告だ」などの声が上がった。

 国頭村の宮城久和村長は「厳しい勧告だ。国や県などと協力して、課題クリアに向け、対応を検討したい」と話した。その上で「再度、世界自然遺産登録に向けて、米軍北部訓練場の返還地を国立公園にしてほしい」と語り、北部訓練場返還地を含めた形で再登録への手続きを進める考えを示した。

 東村の伊集盛久村長は「世界自然遺産登録が遅れることになれば、地元として残念だ。なぜこのような結果になったのか、しっかりと整理する必要がある」として、結果を検証するべきだとの考えを示した。北部訓練場の返還地について「環境省が国立公園にするために手続きを進めていると聞いている。返還地を活用する意味は地元にとって大きい」と話した。

 大宜味村の宮城功光村長は「勧告内容に驚いているが、一方で安心している気持ちもある」と話す。「環境省や各自治体で取り組みを進めてきたが、増加する観光客の受け入れ体制が整っていないなど準備不足な部分もあり、そこが不安要素だった」と述べ、延期となったことを契機に体制をいっそう整える考えを示した。

 西表島の自然の利活用を検討してきた竹富町の西大舛高旬町長は「詳細な内容や対応に関しては、国や県と協議していくことになる。今後の取り組みに関しても、関連機関と協議を進め、しっかり対応したい」と述べた。