山城知佳子さん、独映画祭で受賞 沖縄舞台の作品


この記事を書いた人 大森 茂夫
オーバーハウゼン国際短編映画祭でゾンタ賞を受賞した山城知佳子さん=7日、ドイツ(山城さん提供)

 ドイツのオーバーハウゼン市で開かれていたオーバーハウゼン国際短編映画祭で8日(現地時間7日)、美術家で映像作家の山城知佳子さん(42)=沖縄県那覇市=の作品「土の人」が、女性監督に贈られる「ゾンタ賞」を受賞した。同国際映画祭は1954年に創設され、今回で64回目となる歴史ある映画祭。今年の応募総数は約7300本だったという。

 山城さんは「世界的に鋭い視点や美しく素晴らしい映画が並ぶ中で、自分の作品が認められたことに本当に大きな喜びを感じる」と語った。

 受賞理由は「戦争とトラウマ(心的外傷)的な影響に、暴力的なまでの映像と意義を持ちながら、真摯(しんし)かつユーモアたっぷりに向き合っている。個性的かつ革新的、そして映像的にも最も素晴らしい語り方をしている」と評価された。

 受賞作品「土の人」劇場版(2017年制作)は、韓国・済州島と沖縄を舞台に、米軍基地を抱える地域の苦悩について寓話(ぐうわ)性を盛り込み描いた作品。昨年9月に「アジアン・アート・アワード」の初代大賞にも選ばれた。

 「土の人」は、6月2~15日に那覇市の桜坂劇場で行われる山城さんと映画監督の七里圭さんの特集上映で、公開される。