復帰前後の沖縄 写真、記事で紹介 不屈館で企画展


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写真や新聞記事を通じ、沖縄の日本復帰を紹介する企画展=11日、那覇市若狭の不屈館

 1972年5月15日前後の新聞記事やパネル写真を通じ、沖縄の日本復帰時の様子を紹介する企画展が2日から、那覇市若狭の不屈館で開かれている。県外客も連日訪れており、沖縄の戦後史を学んでいる。6月30日まで。

 パネル写真は、72年5月15日の復帰記念式典であいさつする屋良朝苗知事や、米軍基地を残したままの復帰に反対したデモ行進の様子などを伝えている。当時の新聞記事では、復帰に伴う混乱や物価高騰に苦しむ県民の声を紹介している。

 11日は徳島人権・平和運動センターのメンバーら29人が徳島県から訪れた。内村千尋館長(73)が「復帰後、医療保険や年金制度が適用されて良かった半面、米軍基地が残されて今も苦しんでいる」と説明した。

 同県牟岐町(むぎちょう)の公務員、松下誉さん(45)は「占領下の沖縄の状況を初めて知った。知らないことばかりで恥ずかしい」と話し、展示を食い入るように見ていた。