平和と憲法を考えるフォーラム「届かぬ憲法~ないがしろにされる沖縄の民意と人権」が11日夜、那覇市の八汐荘で開かれた。宜野湾市の緑ヶ丘保育園父母会の元役員や憲法学者、記者ら4人がパネリストとして登壇し、米軍普天間飛行場の移設問題やヘイトスピーチ(差別扇動表現)にどう向き合うか、などを議論した。
昨年12月7日、普天間飛行場所属ヘリの部品が緑ヶ丘保育園に落下した。父母会元役員で「チーム緑ヶ丘1207」書記の与那城千恵美さん(45)は「子どもたちが安心して学校に通えるよう声を上げているが、全く変わっていない。一緒に取り組んでほしい」と訴えた。憲法学者の高作正博・関西大学教授は、米軍ヘリが学校の上空を飛んでいる現状に「学習権の制限、国民の生存権が脅かされている」と指摘した。沖縄タイムスの阿部岳記者は「普天間飛行場の問題は政治ではなく、命の問題だ」と強調。その上で、自身も標的とされているヘイトスピーチに関し「彼らの土俵に乗ってでも反論しないといけない。放置してはいけない」と述べた。
フォーラムは日本民間放送労働組合連合会と民放労連沖縄地方連合会が主催し、マスコミ関係者ら約60人が参加した。