副市長不在続く名護市 長期化、市政運営に懸念も


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 【名護】名護市は2月の市政交代以降、副市長不在の状態が続いている。渡具知武豊市長は2月の臨時議会と3月定例会で副市長人事を提案したが野党が反対し、2回とも不同意だった。同意の見通しが立たないことから、渡具知市長は23日の臨時議会に副市長人事を提案しなかった。6月議会に副市長人事を提案するかは「検討中」という。

 渡具知市長は「副市長不在で大きな弊害はない」と話すが、副市長不在の状態が長引けば、トップ不在時の危機管理など市政運営に支障を来す可能性もある。

 副市長人事が2回不同意となったため、渡具知市長は3月に「副市長不在期間における事務決裁等の特例」を設けた。市長が決裁すべき起案書や決議書などには副市長の押印欄が設けられているが、4月から特例として副市長の代わりに政策調整官が押印することになっている。

 また、副市長が決裁すべき起案書や決議書も政策調整官が決裁することにした。副市長を構成員とする私的諮問機関などは、任命手続きや規則の改正が必要になるため、政策調整官ではなく個別に対応するなどしている。

 政策調整官は市長を支える部長級のポストで、議会承認を必要としない。渡具知市長はこれまで「副市長不在の弊害はない」と話す一方で「いつまでも不在が続くのはよくない」とも述べ、野党の対応にいらだちを隠さない。