【浦添】沖縄県浦添市の松本哲治市長は29日、浦添市役所で会見し、市牧港の沖縄国税事務所牧港寮跡地に「発達障がい児関連複合施設(仮称)」を建設することを発表した。発達障がいなどのある乳幼児から成人までを支援する県内初の一体型の複合施設で、2020年秋の供用開始を目指す。松本市長は「(障がい児・者が)地域で自立した生活ができるよう支援していきたい」と語った。
複合施設は(1)障がい福祉サービスの受給者証が必要な「親子通園型発達障がい児支援事業所」(2)受給者証の不要な「発達障がい児(者)支援センター」(3)さまざまな障がいのある人や家族が利用できる「地域活動支援センター」―の3機能を基本にしており、5階建て。延べ床面積は約2757平方メートル。
発達障がいやその可能性のある児童と保護者が一緒に通える施設のほか、さまざまな障がいのある人が就労体験ができる機能も備える。相談業務を充実させるため、社会福祉士や臨床心理士の常駐も計画している。発達障がいの診断ができるよう、検査室の設置も計画しており、医師の配置も検討する。
会見に同席した県自閉症協会浦添支部てだこわーるどの石川香代表は「発達障がいは理解されにくく、誤解されやすいため、支援も後回しにされてきた。小さい子から大人まで受け入れてくれる複合施設ができることはとてもありがたい」と歓迎した。
浦添市障がい児・者関係団体連絡協議会の大浜明美会長は「当事者やその家族の心が癒やされ、次につながる活動の場になってほしい」と期待した。浦添市身体障がい者福祉協会の宮城明美副会長は「障がい者がよりよく生活できるようになることを楽しみにしている」と述べた。