空梅雨 離島ピンチ 大東 キビ打撃 座間味 給水制限も


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 8日に梅雨入りした沖縄地方だが、雨が降らない少雨傾向が依然として続いている。本島中南部でまとまった雨が降ったのは21日の1日のみ。3週間以上続く空梅雨の影響で、ダムの貯水量は平年を27・1ポイント下回る47・1%まで低下した。離島では平年より降水量が大幅に少なく、サトウキビなど農作物の成長に深刻な影響が出ている。給水制限を検討する村もある。観光シーズンを迎える夏を前に、観光産業などの業界からも水不足を心配する声が上がり始めた。

空梅雨の影響で地割れも一部みられるサトウキビ畑=30日、北大東村(上地順子通信員撮影)

 【南部】南北大東村、渡嘉敷村、座間味村は梅雨入り以降も少雨傾向が続いており、農業や生活用水に影響が出ている。本格的な観光シーズンを控え、給水制限も検討する村もある。

 南大東村の4月の降水量は13・0ミリ、5月は29日時点で18・5ミリで、本島周辺離島で最も少雨傾向にある。島内に18カ所ある貯水池の貯水率は28・2%(25日現在)。サトウキビは既に枯れかかっている。村サトウキビ生産組合の儀間勉組合長(61)は「3~6月はサトウキビの成長に大事な時期なのに」と悲痛な声を上げる。

 北大東村の4月の降水量は14・5ミリで観測史上最少。5月も29日時点で30ミリ程度にとどまった。村によると農業用貯水池の貯水率は平均して50%ほどまで落ち込んでいる。島西部の黒部地区にある貯水池は10%にまで落ち込んだ。サトウキビ農家の上地勝也さん(57)は「収量は5割ほど落ち込むだろう。大雨か台風を待つしかない」と話した。

 座間味村の座間味ダムの貯水率は30日現在で43・93%。阿嘉島のウタハ堰(ぜき)は31・1%。座間味島には海水淡水化施設、阿嘉島には海水淡水化装置があるが、6月末から観光客が急増することから村は「今から給水制限を検討せざるを得ない」と話す。

 渡嘉敷村でも30日現在の貯水率が36%を切り、例年は80%ほどの貯水率であることから給水制限に踏み切る可能性が高い。粟国村、渡名喜村では例年より少雨傾向にあるものの、両村によると一定の降水量があり、農業・生活用水に大きな影響は出ていないという。

 一方、沖縄気象台によると、梅雨前線が南下しており、本島地方では3日まで曇り時々雨、南北大東や宮古、八重山地方では4日ごろまで曇り一時雨の予報となっている。

英文へ→Sugarcane fields take a hit from a dry rainy season, some villages consider rationing water