外国人就農 沖縄に特区 県全域、国が計画決定 特区指定解除見送り


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 【東京】内閣府は30日、都内で国家戦略特区の合同会議を開き、沖縄県が申請した農業分野で外国人労働者を受け入れる区域計画を決定した。国家戦略特区諮問会議での事業認定を経て、正式に決定する。県は今回、新たに8件の事業を提案した。政府や民間委員から指摘されていた、沖縄の特区指定解除の議論は見送りとなった。

 経営規模の拡大など「強い農業」を県内全域で実現するために、県は外国人の農業支援人材を受け入れる事業の区域計画を提示した。外国人の活用で、観光産業との連携や海外輸出の促進を図るとした。

 民間委員からは具体的な受け入れ対象となる農作物についての質問があり、県は「アジア圏で生産ノウハウがある熱帯果樹を念頭に人材受け入れを検討している」と説明した。

 農業への外国人人材活用は全国的にニーズがあり、今年3月に愛知県、京都府、新潟市の3区域が特区に認定されている。これまで沖縄は特区の活用事例が4メニュー5事業と他地域と比較して低水準となっており、指定解除が検討されていた。

 今回、県は新たに(1)外国人のホテル等宿泊業における在留資格の緩和(2)レジャーダイバーガイドに係る用件緩和(3)外国人IT人材受入事業(4)内外併用の日本国籍船舶に係る資格変更届出の免除(5)船内台車の船用品への位置付け(6)航空機整備におけるドローン活用(7)バス自動運転(2地域)―の8事業を提案した。そのため、特区指定解除の議論は先送りされることになった。

 県の提案事業については委員らからも「魅力的だ」「意義ある提案」などと評価する声があったという。