美ノ海、横綱目指して 16年ぶり沖縄県出身十両 しこ名に母「沖縄への感謝」


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 沖縄県うるま市出身の大相撲力士・木崎改め美(ちゅら)ノ海(本名・木崎信志)さん(25)が30日、県出身として16年ぶりとなる新十両昇進を決めた。家族や恩師、同級生からは「よくやった」「十両に定着し、幕内まで上がってほしい」「横綱を目指して」などと喜びや期待の声が上がった。沖縄にちなんだしこ名に改めたことについても歓迎する声が聞かれた。

 しこ名は2016年の春場所に入門して以来、本名の「木崎信志」だったが、十両昇進を機に「美ノ海義久」に改めた。「義久」は、相撲を始めるきっかけとなった母方の祖父の名だ。

 母の睦子さん(59)は「皆さんのおかげでここまで来れた」と周囲の支援に感謝する。しこ名について「本人の沖縄へ対する深い感謝の思いがあるのではないか。沖縄の皆さんから愛されるように頑張ってほしい」と期待した。

 叔父で小中学校時代に中部農林高校で相撲を指導した木崎智久さん(54)=沖縄市=は、十両昇進に加え、祖父・義久さんの名をしこ名に入れたことに「涙が出るぐらいうれしかった」と喜ぶ。「こつこつ努力するタイプ。体格は大きくないので、頭を使い、考えて相撲を取らないといけない。まずは十両に定着し、幕内まで入ってくれればと思う」と期待を込めた。

 美ノ海さんの同級生で小中高や大学時代に相撲で競い合った山城将吾さん(25)=うるま市=は「いつも信志が一つ上の存在。切磋琢磨(せっさたくま)しながらやってきた」と話した。十両昇進に「うれしい」と声を弾ませ「普段はおおらかで優しいが、稽古では負けず嫌い。子どもたちの目標となるように幕内、三役、大関、横綱を目指してほしい」とエールを送った。