4月に福岡県で開かれた「第3回九州パワーリフティング選手権大会」の93キロ級で、沖縄県南城市の盛龍也さん(59)がトータル335・0キロをマークし優勝した。これまで全日本実業団選手権大会で5連覇するなどの実績を持つが、昨年は左肩の手術を受け練習もままならなかった。「いい成績を残せたのは自分一人の力じゃない」と療養中の盛さんを支えた妻のたかこさん(59)に感謝しながら、10月の全日本実業団選手権大会に向け意気込んでいる。
沖縄刑務所矯正処遇官の盛さんは、パワーリフティング歴30年近くで、これまで全国大会などで獲得したメダルは11個に上る。
17年10月、全日本実業団選手権での6連覇を目指し練習に励む中、左肩に激しい痛みが走った。妻のたかこさんに促され病院で診察を受けると、医師から「あと数時間遅れていたら手遅れでした」と告げられ、緊急手術を受けた。2カ月の入院、退院後も2カ月間、療養とリハビリの生活を送った。
全国大会への出場はかなわなかったが、今年4月の九州選手権大会への出場は諦めなかった。そんな盛さんを、たかこさんは「とにかく何でもやろうと思った」と練習の手助けをするなどして支え、二人三脚で九州での優勝を手にした。
盛さんは5月16日、たかこさんと共に、南城市役所に瑞慶覧長敏市長を訪ね、九州での優勝を報告した。瑞慶覧市長は、全日本実業団選手権へ意気込む盛さんに「結果を楽しみにしています」とエールを送った。盛さんは「今後は国際大会優勝も目指します」と笑顔を見せた。