無償化は認可園対象 名護市 認可外から不満も 保育料に交付金活用


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 【名護】再編交付金を活用し、沖縄県名護市が9月から実施する予定の保育料の無償化は認可保育園や認定こども園などを対象としており、認可外保育園は対象外となっている。幼児教育・保育料の無償化は渡具知武豊市長が2月の市長選で掲げた公約の柱だった。認可園に子どもが通う家庭は名護市の措置を歓迎するが、認可外保育園に子どもを預けている家庭からは「不公平だ」という声が上がる。

 渡具知市長は保育料無償化を6月議会で提案する。対象は認可保育園、認定こども園、小規模保育事業所、市立幼稚園に通う園児や児童で、認可外保育園は対象から外れた。名護市内の認可園は40園で3025人の園児が通う。認可外園は9園で園児は118人。

 認可外園は施設規模や保育士の人数などで国や市の基準を満たしていないため、公的補助には限度がある。渡具知市長は「まず認可園から無償化を始めていく」とし、認可外園の対応に含みを持たせた。現行制度下で認可外園の無償化が可能なのか市は「調べないと分からない」としている。

 市の措置について、毎月4万円の保育料を支払い、市内の認可外園を利用している男性(47)は「認可園だけ無償化になるのは不公平に感じる」と話す。その上で「子育てをしているとお金がかかる。認可外も無料にしてほしい」と求めた。

 認可園に入れず、やむなく認可外園に子どもを預ける家庭もある。認可外園に携わる関係者は「認可外園は認可園に入れない子どもの受け皿になっている。その社会的な役割を無視してはいけない」と指摘した。

 認可外園の保護者が抱く不公平感について渡具知市長は「そういう声があるのは聞いている。いろいろ考えていきたい」と話す。しかし、認可外園について市がどう対応するのか、現時点で具体策は見えない。
 (阪口彩子)