住民犠牲の記憶、次代に 読谷チビチリガマ 被爆ピアノで児童合唱


この記事を書いた人 大森 茂夫
チビチリガマの前で、被爆ピアノの演奏に合わせて歌う読谷小音楽部の児童=2日、読谷村波平

 【読谷】沖縄戦で住民83人が「集団自決」(強制集団死)に追い込まれた読谷村波平のチビチリガマで2日、沖縄戦の記憶や平和を継承しようとコンサートが初めて開かれた。広島に投下された原爆で壊れ、その後修復された「被爆ピアノ」の演奏に合わせ、村内の児童が合唱した。午前の部に180人、午後の部には100人が訪れ、恒久平和の願いが込められた音楽に耳を傾けた。

 コンサートは遺族会が開いた。昨年9月にガマの損壊事件をきっかけに沖縄戦の記憶継承が課題となる中、午前の部では読谷小、午後の部では古堅小の児童らが「月桃」と「チビチリガマの歌」をそれぞれ歌い、ガマに眠る犠牲者と遺族を慰めた。

 「集団自決」(強制集団死)に追い込まれた住民に対して黙とうをささげた後、遺族会の与那覇徳雄会長は「歌を通して、平和を語り継げることがうれしい。ここから平和を発信していきたい」とあいさつした。