宮城 久緒 
【浦添】県内外からの募金による支援を得て、２０１６年２月に米国での心臓移植手術に成功したものの、今年３月に間質性肺炎のため亡くなった翁長希羽（のあ）ちゃんの両親で、熊本市に住む父司さん（４１）と母涼子さん（４３）が４日、浦添市役所に松本哲治市長を訪ね、支援に礼を述べた。
浦添市で育った司さんは「悲しい結果になったが、たくさんの人に支援していただいたことに感謝したい」と謝意を示した。その上で「希羽は笑顔のかわいい子だった。今日も近くで見守ってくれているはずだ」と笑顔を見せた。
母涼子さん（４３）は「米国の病院で最大限のことをしていただいたが、『国内で移植手術を受けられたらもしかして結果は違っていたかもしれない』と思うこともある。国内で移植手術が受けられるよう、たくさんの人に（臓器）移植について意識を持ってもらえれば」と述べ、国内で臓器移植に関する議論が深まることを期待した。
妹の花ちゃん（２）も同席。投げキッスやハイタッチなどで周囲を和ませた。司さんは「希羽としぐさが似ていてドキッとする時がある」と話した。
「のあちゃんを救う会」の平良誠共同代表は「結果は残念だったが、多くの人の思いが形になって手術が成功したことはうれしく思う」と述べた。
松本哲治市長は「浦添市民や県民などたくさんの人が一緒に頑張った。同じような境遇にある人たちのために経験を生かしてほしい」と話した。【琉球新報電子版】
