【南・北大東】3月からの少雨でサトウキビに深刻な影響が出ている南・北大東村。台風5号の接近で一時は避難勧告も発令され、南大東村は2避難所を設置し最大で3世帯4人が避難した。北大東村も避難所を1カ所開設したが、避難者はいなかった。両村とも10日午後4時26分に避難勧告を解除した。特に被害の報告はなく、農家らは「恵みの雨」「農家へのプレゼント」と久しぶりの雨を喜んだ。
南大東村旧東の農業、濱川明吉さん(77)は「30ミリ程度の雨では十分といえないが、サトウキビが回復するだろう。返し風で潮害が出なければいいと思う」と潮害を心配しつつ、雨を歓迎した。他の農家らも「今回の台風は恵みの雨をもたらした」とほっとした様子で話した。
避難勧告解除後に村内の農地を確認してまわった北大東村南のサトウキビ農家、上間正巳さん(57)。思ったほど被害はなく、サトウキビは少し倒れているが、すぐ回復するという。「午前中に30ミリほど降ったが、まとまった雨は3月下旬以来で、農家は大喜びだ。ため池にたまるほどではないが、最低限キビのつなぎになる」と話す。また「返し風と一緒に雨が降っているので非常に喜んでいる。これで潮害をなくしてほしい」とさらなる雨を期待した。