政治

緊張緩和に期待 米朝首脳会談 沖縄県民反応 非核化実現に疑問も

 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との米朝首脳会談で朝鮮半島の「完全な非核化」が合意されたことについて、沖縄県民からはさまざまな受け止めが広がった。基地周辺住民からは合意が朝鮮半島の安定化につながり、沖縄に集中する米軍基地の影響が緩和されるとの期待の声がある一方、実現を疑問視する見方も上がった。拉致問題など日朝間の問題解決を加速化させるべきだとの意見もあった。

 米軍嘉手納基地を抱える沖縄市に住む知念正倫さん(46)は「非核化については歓迎する。(朝鮮半島の)緊張が緩和することに安心感はある」と話した。一方で、今後の進展については「北朝鮮がすることが正確なのか、非核化を達成するために裏付けはあるのか」と話し、十分に期待できない心情も吐露した。

 「トランプ米大統領の政治手腕には懐疑的だったが、対北朝鮮交渉で少し見直した」と話すのは、上原茂幸さん(69)=那覇市。両国が対話により平和への道筋を見いだしたことを評価した。上原さんは「水と油のような国同士でも、歩み寄りの気持ちがあれば必ず問題解決できることを証明してくれた」と述べ、民意に反する辺野古新基地建設も「日米沖が互いに尊重し対話を重ねれば、建設中止となる可能性はまだあるはずだ」と訴えた。

 那覇市在住の女性(77)は拉致問題の早期解決に期待する。女性は被害者とその家族の高齢化を懸念し「安部首相には一日も早く金正恩氏と直接交渉できるよう尽力してほしい」と述べた。

 嘉手納町基地対策協議会の上地安重会長(74)は朝鮮半島の緊張緩和で、米軍嘉手納基地から派生する騒音の軽減に期待する。「朝鮮情勢に町は大きな影響を受けている。朝鮮半島が平和になれば外来機の飛来も減り、演習も少なくなるはずだ。平和に向かうことがうれしい」と喜んだ。