米軍機墜落想定 避難計画を作成 嘉手納町 基地の災害に備え


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 嘉手納町は町内での米軍機の墜落や基地内火災を想定し、町民の避難経路などを示した「基地被害における避難実施要領のパターン」を公表した。航空機事故時の対応計画を持つ自治体はあるが、米軍機の事故を想定し、具体的な避難について対応をまとめたのは県内で初めてとみられる。

 要領は災害発生後、各地区ごとの避難経路や避難施設、避難誘導までの流れを確認した。ニライ消防や県警などと連携して対応し、米軍とは沖縄防衛局を通して連携する。

 嘉手納町は町面積の約8割が米軍基地で、町議会などで「自然災害と同様に備えておく必要があるのではないか」といった指摘が上がっていた。過去には米軍機の墜落事故で、町民が犠牲になったこともある。避難計画は米軍機の事故が相次いでいることから3月にまとめられ、13日からは町のホームページで公表している。

 県防災危機管理課は「米軍基地から派生する災害を想定した避難計画は聞いたことがない」と話している。當山宏町長は「津波などよりも米軍機の事故のほうが起こる可能性が高い。事故が起こらないに越したことはないが、住民を守るための指針は作らなければならない。周知をしていきたい」と語った。今後、町内での避難訓練で活用することを検討している。