翁長知事県議会へ出席 野党 治療に専念を 与党 強い決意歓迎


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翁長雄志知事

 膵臓(すいぞう)がん発覚後、化学療法を始めた翁長雄志知事は12日に開会した県議会6月定例会本会議に出席した。来週から始まる代表質問や一般質問にも引き続き出席する意向を示している。与党からは2期目出馬に向けた意欲と歓迎する声が上がる一方、野党や中立会派からは「治療に専念すべきだ」と疑問の声が上がるなど、知事の出席を巡り与野党で賛否が分かれている。

 翁長知事の定例会出席については、5日の議会運営委員会で、体調による途中離席や本会議欠席、帽子着用などが了承された。帽子は治療に伴い必要として了承されている。

 ただ、12日の本会議で、約2カ月ぶりに翁長知事と対面した野党議員らからは「論戦に耐えられないのではないか」との懸念が噴出。「治療に専念すべきだ」との意見が大勢を占めている。

 12日の本会議終了後に行われた各代表者会議でも、知事の出席を巡り与野党で意見が対立。最終的には、公明からの提案を受ける形で、新里米吉議長が知事に直接、野党側などの懸念を伝えることで合意した。ただ、基地問題への県の対応などを巡り、議場で知事を厳しく追及したい野党にとって、不満を抱えたままの定例会開会となった。

 代表者会議で、自民の島袋大県議は「知事の顔色などを見ると、体調に不安がある。治療に専念すべきで、議会運営委員会で改めて協議できないか」と提案。維新の當間盛夫県議も同調した上で「知事の体調を気にしながら議論するのは厳しい」と主張した。

 一方、与党共産の渡久地修県議は「我々も治療に専念すべきだと進言したこともあるが、知事本人が(出席に)強い決意を示している中、議会に出るなとは言えない。知事の判断に任せるべきだ」と反論。議会運営委員長を務める社民・社大・結の大城一馬県議も「知事本人は十分に対応できるとの強い意思がある」と述べた。