空梅雨が続く沖縄地方で14日、梅雨前線の影響で、久しぶりにまとまった雨が降った。しかし、ダムの貯水量が依然として平年を大きく下回ったままだ。週末にかけて沖縄地方は降雨が予想されているものの、少雨傾向は夏にかけて続く見通し。県や市町村は節水を呼び掛けるなど水不足対策に躍起となっている。座間味村は給水制限解除の是非を週明けに判断する方針だ。例年を上回る熱中症患者数が報告されており、県はこまめな水分補給など熱中症対策を求めている。
県内のダム貯水率が平年の同じ時期よりも大幅に低い状況を受けて県は14日、県渇水対策本部会議(本部長代理・富川盛武副知事)を県庁で開いた。同会議の開催は2009年以来、9年ぶり。富川副知事は今週末にかけて降雨が予想されるが、今後も小雨傾向が続くとみられていると説明した。
その上で「厳しい水事情を理解いただき、日々の生活で水の使い方を工夫したり、節水器具を活用したりし、節水に協力してほしい」と「県民への呼び掛け」をした。
県によると、14日現在のダム貯水率は44・3%で、平年の79・1%を34・8ポイント下回っている。昨年もダム貯水率は低く渇水が懸念されたが、梅雨時の5、6月に入って平年を上回る降水量があったことから最終的に貯水率は上がった。だが、ことしは梅雨入りして以降も雨があまり降らず、5月の水源地降水量は平年比で23・8%、6月も16・4%にとどまっている。
県はこの日の会議で市町村や国、学校、自衛隊や米軍、工場やホテルなどの大口需要者、一般県民などに節水を呼び掛ける対応を決定した。貯水率が35%程度まで下がれば再び会議を開き、水圧の「自主減圧」の呼び掛けやパンフレット配布など追加対策を取る予定。
県企業局はシャワーはこまめに止める、トイレの大小レバーを使い分ける、歯磨きや洗面時の流し洗いはしない、節水コマなどを活用するなどの節水対策を呼び掛けている。