折り鶴、再生紙で貢献 千羽鶴引き渡し式


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たくさんの千羽鶴を一つ一つ仕分けするボランティアら=9日、糸満市摩文仁の県平和祈念資料館

 【糸満】沖縄県平和祈念資料館などに寄せられた来館者からの千羽鶴を千羽鶴未来プロジェクト沖縄会議(比嘉正詔議長)に引き渡す第12回千羽鶴引き渡し式が9日、糸満市摩文仁の県平和祈念資料館で開かれた。地域のボランティアら約70人が、千羽鶴のひもやビーズを取り、再生紙にできる状態にするための仕分け作業に取り組んだ。

 同会議は毎年、県内各地の慰霊塔などに寄せられた千羽鶴約2トン弱を、広島県にある一般社団法人千羽鶴未来プロジェクトに送っている。広島と長崎の千羽鶴と合わせて、福井県で和紙に加工され、名刺や賞状などに再利用されている。

 千羽鶴の仕分け作業に取り組んだ多機能型事業所すぺーす(糸満市)利用者の川崎綾子さん(22)は「戦争で大勢の人が亡くなったので、もう二度と戦争を起こさないようにと、仕分けした」と語った。

 県婦人連合会からは8人が参加した。同会の仲西郁代会長は「折り鶴には平和の思いが込められている。再生され、いろんな物に使われるという趣旨に賛同している」と話した。

 式には、千羽鶴未来プロジェクト沖縄会議の稲嶺恵一顧問やひめゆり平和祈念資料館の普天間朝佳館長も参加した。