台風6号の接近に伴い16日朝に沖縄県伊江村で発生した突風は、風速約70メートルと推定され、国内過去最強級の竜巻だったことが分かった。沖縄気象台が18日、発表した。県内の陸上で竜巻が確認されたのは、2015年8月の石垣市以来。
同気象台が17日、職員を気象庁機動調査班として派遣し、現地調査を行った。それによると、突風は16日午前9時半ごろ、伊江村東江上から同村西江前の範囲で発生。伊江島空港で格納庫の屋根の一部が吹き飛んだ。同空港設置の観測装置では、最大瞬間風速62・1メートルを記録。強風の影響で女性2人が骨折などし、軽トラック1台が横転した。
被害の痕跡が帯状に分布していたことなどから、調査班は突風を「竜巻」と推定した。空港格納庫の被害状況を根拠に、当時の風速を70メートルと推定した。これは「アスファルトが剥離・飛散する」レベルで、突風や竜巻の強さを示す「日本版改良藤田スケール」(2016年4月から運用)で「JEF3」に該当。JEF3は強い方から3番目に当たり、国内では今回が初めて。改良前の藤田スケールでも、今回と同等の「F3」が最高だったという。
沖縄気象台は今回の記録的な竜巻について、「台風6号の接近に伴い、発達した積乱雲が伊江島を通過したのが原因」と解説した。