紙コップ、大事に重ねて 八重瀬「分身」に見立て作品


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
夢中で紙コップを積み重ねていく参加者=3日、八重瀬町具志頭の南の駅やえせ

 【八重瀬】沖縄県の八重瀬町観光まちづくり委員会主催のイベント「紙コップ1万個!アートで遊ぶ!」がこのほど、八重瀬町具志頭の南の駅やえせで開催された。講師は東京を中心に活動する美術家の屋嘉部正人さん=南城市出身=が務めた。屋嘉部さんは各地で紙コップのワークショップを開いており、沖縄での開催は、昨年八重瀬町で開催して以来3回目となる。

 ワークショップでは毎回、1人1個の紙コップに絵や言葉を描き「自分の分身」を作る。コップの分身たちを次のイベント会場に連れていっており、屋嘉部さんは「旅する紙コップ」と呼んでいる。

 今回のワークショップには、子どもから大人まで約60人が参加した。1万個の紙コップと、分身の紙コップ約千個を加え、会場いっぱいに紙コップを積み上げたアート作品を作り上げた。屋嘉部さんは「一つ一つの紙コップを自分だと思って大切に扱って」と声を掛けながら、参加者の様子を見守った。

 作業を始めて約1時間後、参加者は完成した紙コップの作品を眺め、不思議な空間アートに酔いしれた。最後は一斉に壊して片付ける、元の箱に収めるまでを共同作業で楽しんだ。

 子ども連れで参加した名嘉紀勝さん(40)は「大人も集中してしまう。崩れてもすぐ直せるし、紙コップでこんなに遊べるのかと思った」と話した。
 (新垣貴子通信員)