沖尚、沖水に勝利 夏の甲子園沖縄大会第2日


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 第100回全国高校野球選手権記念沖縄大会の第2日は、コザしんきんスタジアムなど3球場で2回戦9試合を行った。5千人以上の観客が詰め掛けた沖縄尚学―沖縄水産は、沖縄尚学が沖縄水産の投手陣を攻略し、8―4で振り切った。宮古総実は3―2で久米島に競り勝ち、再編統合後では夏の沖縄大会初勝利を挙げた。普天間は5―1で西原を下し、具志川商業は八回に決勝点を挙げ5―2で北中城を制した。那覇商業は2―0で小禄に勝った。残り3試合は七回コールド試合となり、糸満が9―1で美里に、KBC未来は7―0で沖縄工に、美来工科は8―1で那覇工にそれぞれ勝利した。

強豪対決で「底力」/「次も一致団結」

沖縄尚学―沖縄水産 2番手で登板し力投した沖縄尚学の新垣大介=24日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(大城直也撮影)

 第4シードの沖縄尚学と古豪・沖縄水産の戦いは、沖水の投手陣対策が奏功した沖尚が、チームがテーマとする「底力」を発揮して競り勝った。子どもの頃から沖水に憧れてきたという比嘉公也監督だからこそ「次の沖縄高校野球を担うのは沖尚だと選手にも言っていた。負けられない戦いだった」と強敵を退けた選手らをたたえた。

 沖水投手陣の直球に狙いを定めていた沖尚は、一回2死から3番磨龍輝、4番知念大成が単打でつなぎ、5番水谷留佳が「狙っていた高めの真っ直ぐが来た」と左中間へ2点適時打を放ち先制。選手個々が投球にタイミングが合い、スイングの鋭さが光った。

 三回に1失点したが、四回には先頭の水谷から出塁すると、沖水が投手を代えても「予想していた」と池間大智主将らのセーフティースクイズなどでビッグイニングを生み出した。

 五回はミスから3失点したが投手陣が粘る。2死一、三塁で先発知念と交代した新垣大介は公式戦初登板ながら、「緊張せず自信のある直球を投げた」と三振に抑えた。九回は、春の準決勝でKBC未来に逆転負けを許した元悠次郎が登板。いきなり四球を出したが、捕手の池間から「春の悔しさを拭い去るのは今だ」と勇気づけられ、重圧が懸かる場面を三振で締めくくった。

 5千人以上の観客が詰め掛けたカードは、2014年大会2回戦の再来。当時も沖尚が1―0で沖水を破り、甲子園に出場し準々決勝まで進出した。池間主将は「いい形で初戦を突破できた。次戦までもっと精度を上げ、一致団結して臨みたい」と、シード校として重圧をはねのけたすがすがしい笑顔があった。
(嘉陽拓也)