沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究チームがこのほど、隕石が地表に衝突した後にできるクレーターの周囲の放射状の筋「光条(こうじょう)」が形成される過程を明らかにした。研究によって隕石の大きさを解明することが可能になる。27日、米国物理学会発行の学術誌「フィジカル・レビュー・レターズ」で発表された。
明らかにしたのはピナキ・チャクラボルティー准教授、タパン・サブワラ研究員ら4人。動画サイト「ユーチューブ」に投稿された、子どもたちの実験からヒントを得たという。子どもたちが砂床をならさずにボールを落としてクレーターを作っていた際に、周りに光条ができていた。サブワラ研究員は「とてもシンプルな方法だった。不均一な面に衝突させることによって光条ができることが分かった」と話した。
実験ではさらに、衝突面の砂床を規則的な起伏面に整え、ボールの大きさ、落下速度、砂床の起伏の間隔などの要素を変えて光条の形成過程を検証した。その結果、光条の本数には、ボールの直径と起伏の間隔のみが影響していることが分かった。コンピューターシミュレーションでも同様の結果を得たという。
研究では、ボールのサイズ、起伏の間隔、光条の本数のうち、二つの要素が分かれば、もう一つは導き出せることが分かった。これによって、惑星などにあるクレーターを作り上げた隕石のサイズが予測可能になるという。
チャクラボルティー准教授は「光条に着目することで、隕石の解明につながり、その惑星の形成過程が解明できる。今後は光条の長さの関係性なども分析していきたい」と語った。