「偶然当たらなかった」 小屋管理者、改めて恐怖 「発射元 早く特定を」 名護・流弾事件


この記事を書いた人 大森 茂夫
農園の作業小屋で見つかった1つ目の弾痕とみられる傷。ガラスが割れている=22日午後6時半ごろ、名護市数久田

 【名護】沖縄県名護市数久田の作業小屋で発見された「銃弾のような物」について、県警は28日になって「発射された銃弾」だと断定した。発覚から1週間が経過し、県警がやっと出した公式発表だが、いまだどこから発射されたのかを断定しておらず、全容解明には程遠い。周辺住民からは、県警の捜査の進展を疑問視する声も上がり始めた。命を脅かしかねない流弾事件が何度も起こってきた名護市で、市民の不安は募るばかりだ。

 銃弾を発見した小屋の管理者は、当初から銃弾は発射されたものと考えていた。「弾には線条痕のようなものが、はっきり残っていた。捜査を尽くして、誰が撃ったのか早く特定してほしい」と語った。

 発生から1週間がたつが、銃弾がいつ、誰がどこから撃ったのかはまだ分かっていない。銃弾を発見したのは21日正午ごろ、買い物を終えて小屋に帰ると、入り口のガラスが割れていた。相対する壁に銃弾痕のような傷を見つけた。傷が付いた方向から、さらに延長線をたどると割れた窓ガラスの下に転がっている弾を見つけた。

 発射された時に小屋にいたら。外での作業中に被弾したら―。改めて不安を感じる。「たまたま当たらなかっただけと考えると、ぞっとする」と語り、「安全を実感できる対応策を取ってもらいたい」と訴えた。

 事件を巡り、インターネット上では「弾を自分で置いた」などと、自作自演だとの風評が一部で出ている。「(風評に)不安を感じていたので、発射物と証明されたことにはほっとしている」とも話した。