県立図書館が休館 さよならコンサート開催 12月、泉崎に移転


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完全休館の日にクラシックの名曲を楽しむ市民ら=29日、那覇市寄宮の県立図書館

 那覇市泉崎への移転に伴い、同市寄宮で業務を続けてきた県立図書館が29日、完全休館となり、開館以来38年にわたる寄宮での歴史に幕を閉じた。同日、「さよならコンサート~本とカルテットの響~」が開かれ、普段は静かな図書館に弦楽四重奏の美しい音色が響き渡った。100人を超える県民が訪れ、休館前の「最後の時」を共有した。

 コンサートは作家・村上春樹さんをテーマに、小説の中に登場するバッハやシューマン、ブラームスなど、クラシックの名曲が一般社団法人楽友協会おきなわの演奏者らによって披露された。館内での写真撮影も許可され、多くの人がカメラを片手に館内の様子を撮影した。

 この日、移転先の建設状況を見た後、図書館を訪れたという慶世村良秀さん(37)は、館内の様子を感慨深そうに写真に収め「与儀公園と一体化している建物の雰囲気が良かった」と語った。

 図書館の職員によると、6月末までに蔵書80万冊のうち、約30万冊の箱詰めが終了している。今後、12月の新館開館に向けて、移転作業が急ピッチで進められる。