石川がサヨナラ勝ち 夏の甲子園沖縄大会第3日


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 高校野球の第100回全国高校選手権記念沖縄大会の第3日は30日、沖縄セルラースタジアム那覇など3球場で2回戦7試合を行った。

 石川は初出場の日本ウェルネスとシーソーゲームの末、九回に3番山田大悟がサヨナラ3点本塁打を放ち、6―5と逆転勝ちした。具志川は北谷と一進一退の攻防を繰り返したが九回に逆転し、7―6で競り勝った。豊見城は序盤に打者一巡のビッグイニングをつくり出し、6―3で向陽を退けた。宜野湾は7―1で南風原に快勝し、第2シードの興南は4―0で豊見城南を下した。北山は5―0で那覇西を抑え、読谷は7―0の八回コールドで浦添工業に勝利した。

 30日は大雨の影響により試合開始が遅れたため、那覇国際―名護商工、首里東―浦添商業は2日に順延となった。1日に予定していた試合は台風7号の影響で2日以降に順延となった。

◇山田、値千金の3点弾

日本ウェルネス―石川 9回裏無死一、二塁 右越えにサヨナラの3ランホームランを放つ石川の山田大悟=30日、コザしんきんスタジアム(古堅宗陽撮影)

 2度先行するも九回表に追い越され、最終盤に2点を追う窮地に立たされた石川。しかし九回裏、無死一、二塁の好機をつかみ、3番山田大悟が狙っていた直球を捉え、打球は外野フェンスを越えた。逆転サヨナラ3ラン。「よっしゃあ」と拳を高くつき上げながらホームを踏むと、劇的な幕切れに興奮したチームメートが殊勲者をもみくちゃにし、勝利を喜ぶ輪ができた。

 初回に1点先制したが、三回に2点を奪われた。気持ちを切らさず粘り強く好機をうかがった五回と七回に、相手投手の制球が乱れ四死球を絡めながら1点ずつを返し、3―2と試合をひっくり返した。

 「相手は泥臭くやってきた」と天願恒監督が話すように、九回に再び3―5と勝ち越された。後がないピンチになったが、指揮官は「打つしかない」と指示を出す。選手は諦めずに気持ちを奮い立たせ、1番比嘉優斗、2番登川諒栄が安打でつなぎ無死一、二塁と反撃態勢をつくる。「自分が決めてやろう」と強い決意で打席に立った山田。真ん中低めの直球をバットの芯で振り抜き勝負を決めた。

 相手は1年生チームで、勝って当然というプレッシャーもあった。試合後の山田の「ほっとしている」との表情から本音が見えた。次戦は沖縄尚学が相手。秋季大会は準決勝で敗れただけに、山田は「絶対にリベンジし、上に進みたい」と勝利を信じて挑む。(喜屋武研伍)

【6月30日の結果】
▽2回戦
 豊見城 6―3 向陽
 興南 4―0 豊見城南
 石川 6―5 日本ウェルネス
 読谷 7―0 浦添工(八回コールド)
 北山 5―0那覇西
 具志川 7―6 北谷
 宜野湾 7―1 南風原

◇2日の試合
▽2回戦
【セルスタ】10時
 首里東―浦添商
【しんきん】10時
 那覇国際―名護商工
 陽明―辺土名

◇3日の試合
▽2回戦
【セルスタ】9時
 浦添―首里
 昭薬付―中部農林
 南部商―球陽
【しんきん】9時
 コザ―中部商
 名護―那覇
【北谷】9時
 与勝―沖縄カトリック
 北部農林―開邦
 嘉手納―知念