日米の子どもたち、一緒に誓った「平和」 キンザー小と浦添の学童クラブ 前田高地訪れ黙とう


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ディーグガマで手を合わせる浦添市内の学童クラブとキンザー小の児童ら=6月23日、浦添市

 【浦添】慰霊の日に地元の沖縄戦について知ろうと、沖縄県浦添市内の学童クラブと米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)内のキンザー小学校の児童ら合わせて約220人が6月23日、沖縄戦の激戦地だった浦添市の前田高地を訪れた。児童らは、沖縄戦で住民らが避難したディーグガマに千羽鶴を奉納し、黙とうをささげて戦没者を追悼した。日米の児童らが合同で前田高地で平和を祈念するのは初めて。

 浦添グスク周辺を中心にガイド活動を行っている「NPO法人うらおそい歴史ガイド友の会」の歴史ガイドの玉那覇清美さんが企画した。12人のガイドが前田高地の戦いや、日米両軍だけでなく住民に多数の犠牲者が出たことなどを説明した。

 キンザー小の児童は昨年9月、少年たちによる器物損壊事件が起きた読谷村のチビチリガマを訪れ、千羽鶴をささげたことをきっかけに平和学習を始めている。

 今年3月には、ディーグガマや前田高地で戦死した日本軍第32連隊第2大隊の兵士の慰霊碑「前田高地平和之碑」を訪れ、千羽鶴を奉納しており、慰霊の日に合わせた平和学習の一環として参加した。

 日米の児童らはディーグガマの前で共に平和を祈念した。玉那覇さんは「戦後73年がたったが、日米の児童が共に平和を祈念するということが非常に意義があると思う。これからも互いに思いやり、戦争をしないという決意を新たにしてほしい」と話した。

 前田高地には浦添市出身のハイアット笑美さん(40)も家族で参加した。四女のミナ・ハイアットさん(10)=キンザー小5年=は「二度と戦争は起きてほしくない」と話した。笑美さんは「浦添の沖縄戦について知らないことがたくさんあり、勉強になった。子どもたちには世界の懸け橋になって、平和な世の中をつくってほしい」と語った。