翁長政俊県議、出馬へ 那覇市長選 自民、あす擁立決定


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 翁長 政俊氏

 10月21日投開票の那覇市長選挙で、自民党県連沖縄1区支部などでつくる選考委員会(山川典二委員長)は6日までに、自民県連会長代行で県議の翁長政俊氏(69)を擁立する方針を固めた。8日の幹事会と選考委員会で正式に決定する。関係者によると、翁長氏本人も選考委の聞き取りに意欲を示しており、受諾する見通し。

 一部では県議の西銘啓史郎氏(60)を推す声もあり、西銘氏本人も出馬に意欲を示していたが、政治経験が豊富な翁長氏で候補者一本化を進める。選考委員会は4月28日に発足し、候補に挙がった15人から選考を進めてきた。委員会は候補者への聞き取りなどを通し、翁長、西銘両氏の他に経済関係者、元市幹部ら計5人まで絞り込んだ上で、翁長氏の擁立を固めた。

 翁長氏は那覇市議を経て1996年に県議初当選。現在5期目。2004年には参院選沖縄選挙区に自民党公認で出馬し、落選した。2012年から13年まで自民党県連会長を務めた。

 一方、市政与党では現職の城間幹子氏(67)を擁立する方針を固めている。

<解説>現職相手の選挙/挙党態勢を重視

 10月21日投開票の那覇市長選に向け、自民党県連沖縄1区支部などでつくる選考委員会は、翁長政俊氏(69)の擁立を8日にも正式決定する。挙党一致態勢で現職の相手候補に臨むには「これ以上遅れを取ることはできない」(選考委員)との思惑から、このタイミングで決断に踏み切った。

 選考委員会では、県議の西銘啓史郎氏(60)を推す声があり、西銘氏本人も選考委の聞き取りで出馬に意欲を示している。しかし、翁長氏の支持が多いことを受け、西銘氏やその支援者とのしこりを残さないためにも早めに翁長氏擁立を固め、その後の態勢づくりを重視した形だ。

 自民党県連による知事選と市長選の候補者選定は一部連動していた。そのため知事選の候補者選定が難航するに伴い、市長選の選考も当初の予定から約1カ月の遅れが生じた。

 その中で自民党県連などは5日に宜野湾市長の佐喜真淳氏(53)の擁立を決定、9日に出馬を要請するなど候補者固めに走り出した。この動きも市長選の候補者選考の日程に影響したとみられる。

 前述と別の選考委員は「現職は強い。早く決めて早く動くことが大事だ」と気を引き締める。翁長氏擁立決定後は、公明や維新との協力関係など、より広範な支持を得られる支援態勢をつくれるかが焦点となる。
 (田吹遥子)