今帰仁城跡をVR、ARでよりリアルに歴史を学べるように


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 NTTドコモ(東京都)は10日、「5Gを用いた歴史教育向けコンテンツ配信の実証実験」などについて、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューで会見を開いた。同社と沖縄観光コンベンションビューロー、凸版印刷が協力し、次世代移動通信規格「5G」を用いて、よりリアルに歴史を学べるVR(仮想現実)・AR(拡張現実)の実験を12月から行う。

 今帰仁城跡で、修学旅行生や地元の学生などを対象とする。VRヘッドマウントを装着して城跡を見渡すと、三山時代の城や人などが立体的に見えるしくみで、臨場感を持って歴史を学べる。実験期間は来年1月まで。

 また、タブレットを持ちながら城跡を歩くと、各場所で出土した土器などがAR映像で現れ、遠隔地にいる専門家の説明をリアルタイムで聞くことができる。

 再現を当時に近づけるため、古琉球に詳しい法政大学沖縄文化研究所の上里隆史研究員が監修する。

歴史教育向けコンテンツについて説明する(写真左から)OCVBの玉城扇氏、凸版印刷の中尾光宏氏、法政大学沖縄文化研究所の上里隆史氏、NTTドコモの古川浩司氏=10日、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー

 5Gは、高速・大容量で遅延が少なく、多くの端末を接続できる情報通信技術。そのほかNTTドコモは、5Gの活用で産業振興を推進するため「ドコモ5GオープンラボOKINAWA」を12月に開設する。企業が自社の機器などを持ち込み、5Gを使った実験ができる場所で、東京、大阪に続き全国3番目の設置となる。

 同社の古川浩司取締役常務執行役員は「沖縄は人口も増え、アジアの中心でもある。かなり成長が見込める」と意気込んだ。

 また会見では「沖縄振興推進のための重点取り組み6分野」についても発表があった。自然保護や交通環境改善など、県の課題を6分野に分け、情報通信(ICT)技術を使った解決に取り組む。