名護、交付金で対立激化 与党、修正案提出へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
野党の質疑に答える渡具知武豊市長=2日、名護市議会議場

 【名護】名護市議会で渡具知武豊市長を支える与党議員は13日の本会議で補正予算の修正案を提出する。名護市が9月1日から開始予定の保育料無償化に認可外園が含まれていないことを受け、認可外園の保育料無償化の助成金として約1億4千万円を計上した。財源は米軍基地建設に協力姿勢を示したことで得られる再編交付金を活用する。再編交付金を巡り、名護市議会は会期が延長するなど与野党の対立は激化している。

 与党側が提出する修正予算案は認可外保育園の保育料無償化の助成額として2018年度の7カ月分5180万円、19年度分8880万円を再編交付金から充てる内容。
 保育料無償化について渡具知市長は、2年間で8億133万円の補正予算案を計上したが、認可園だけが無償化の対象で認可外園は外されていた。これに野党は「不公平だ」として2日の本会議で認可外への助成額3598万円を計上した修正予算案を提出した。
 いったん議員の過半数を得て可決したものの、財源が財政調整基金であったことから渡具知市長が再議権を行使し審議のやり直しを求めた。再度採決した結果、賛成数は可決に必要な3分の2に届かず修正案は否決された。
 与党議員は「野党の修正予算案は、保育料無償化が実施できないことを市長の責任にしようとしている。不公平だというのであれば、予算を計上すればいい話だ」として対立姿勢を明確にした。一方の野党側は「どう対応しても与党の有利にしかならない」などと話す議員もいて、再編交付金を巡る補正予算案の対応に苦慮している。(阪口彩子)