第一交通高速船運航 北部観光拡大に期待


この記事を書いた人 琉球新報社

 第一交通産業グループが参画する考えを示した那覇港と本部港を結ぶ高速船の運航計画。レンタカーを使う入域観光客の増加を背景に県内では道路の渋滞悪化が続いており、海上交通への転換を通じて地域への負荷を和らげる。本部港で路線バスなどに接続することで北部周遊観光の拡大にも期待が集まりそうだ。

 実証実験では那覇と本部を直接結ぶルートに加え、北谷町や恩納村、名護市などに寄港するルートも検討し、妥当性を探る。

 一方、那覇と本部を結ぶ航路を巡っては、過去にも県出資の第三セクター「沖縄マリンジェット観光」が那覇―本部―伊江島間で高速船「マーリン」を運航したが、採算性の問題から、2000年2月に運航を取りやめた経緯がある。採算性の確保が焦点となる。

 これに対し第一交通は定員200人以上だったマーリンは需要に対し席数が供給過多となり、運行コストがかさんだと分析する。

 今回は定員70人程度という小型の高速船を使うことで、搭乗率を高めて運行コストを抑える「LCC(格安航空会社)流の戦略」で採算性の確保を狙う。