那覇 無失点で快勝 8強出そろう 夏の甲子園沖縄大会第10日


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 高校野球の第100回全国選手権記念沖縄大会の第10日は15日、2球場で4回戦4試合を行い、8強が出そろった。那覇は犠打や犠飛を絡めて陽明に4―0で競り勝ち、本大会は全試合無失点で18年ぶりに8強入りした。中部商業は八重山農林に7―2で打ち勝った。興南は投攻守で地力の高さを発揮し、首里東を7―0の七回コールドで制した。嘉手納も打線が良く、10―0の六回コールドで宮古総実を退けた。16日は2球場で準々決勝4試合が行われ、4強が決まる。準決勝は21日、決勝は22日を予定している。

◆那覇 総力戦、勝利もぎ取る

那覇―陽明 1回那覇1死一、三塁、先制のスクイズを決める津波古陸斗=15日、沖縄セルラースタジアム那覇 (大城直也撮影)

 2、3回戦でコールド勝ちし手応えを得ていた那覇だが、4回戦は陽明の先発投手・新里將太の粘り強い力投もあり、夏の大会独特の重圧や緊張感に包まれた。守備に失策が生まれ、安定感を欠く場面も。しかし五回に犠打や犠飛で相手守備を乱れさせ、投手陣も力投し4―0で勝利した。大城康成監督は「守備で自分の力を信じ切れない部分もあったが、課題も収穫の一つ」と話し、興南との準々決勝に向け、良い緊張感を得た様子だった。

 那覇の4番・津波古陸斗は「陽明の投手は簡単に打ち崩せない。犠打を絡めて揺さぶり点を取る」と想定していた。一回、その作戦を遂行し、1死一、三塁の場面で確実にスクイズを決めて先制した。

 流れをつかんだかに見えたが、両チームとも守備の失策でなかなか乗れない。それでも那覇は五回、先頭が出塁する好機に犠打や犠飛でつなぎ、相手守備をかき乱して3点を奪った。しぶとく点をもぎ取る打線に、六回途中から継投した仲嶺佑哉が好投で応える。

 春季大会後からマウンドに立つ仲嶺は、本大会前まで心身共にやや未完成だったが、「これまでのコールド試合にはない追われる緊張感と、先発の瀬長勇太朗が支えてくれる安心感」で、最速141キロの直球を武器に陽明を抑えた。

 勝負勘を確認した試合に主砲の津波古は「仲嶺が頼もしく、良いゲームでもあったが、ミスからの失点はもうできない」と振り返り「興南は手ごわいが、集中力を高め、やるべき事を徹底すれば勝てない相手ではないはず」と述べ、一夜明けた連戦まで修正を急ぐ。 (嘉陽拓也)