高校野球の第100回全国選手権記念沖縄大会の第11日は16日、2球場で準々決勝4試合を行い、4強が決まった。北部勢で唯一勝ち上がっていた北山は、第4シードの沖縄尚に九回サヨナラ勝ちし38年ぶり3度目となるベスト4入りを果たした。興南は那覇の追い上げをくじき、4―3で競り勝った。嘉手納は中部商業との打撃戦を制し、9―6で2度目の4強入り。糸満は美来工科を打力で上回り、6―3で2年連続で準決勝進出を決めた。準決勝は21日、沖縄セルラースタジアム那覇で行われ、第1試合(午前10時開始)は糸満―北山、第2試合は興南―嘉手納となった。決勝は22日午後1時開始予定。
◆38年ぶり4強 大城が殊勲打
九回の北山の攻撃、大城龍之介の放った打球は二塁手の頭を越え、右中間を鋭く抜けていった。二走の島袋颯人は打球の行方を確認し三塁ベースを蹴るとサヨナラ勝ちを確信、スタンドとベンチにガッツポーズし両足で試合を決めるホームを踏んだ。2年生主体の北山が第4シードの沖縄尚学を土壇場でかわした。38年ぶりの4強入り。津山嘉都真監督は「苦しいゲームだった。3年生がサヨナラ安打を放ち、ホームを踏んだから、なおさらうれしい」とチームを引っ張ってきた上級生の活躍を喜んだ。
大城には打席にかける思いが人一倍あった。というのも1点リードの三回、マウンドに立っていたが、四死球と安打で満塁のピンチを招き、沖尚4番・知念大成に一発を浴びた。自信のあったスライダーの被弾で、四回から右翼の守備につきながら「打撃で返そう」とチャンスを待った。
九回にその好機が来た。1死一、二塁、「龍さん頼みます」とベンチから背中を押された大城は低めの直球を振り抜き、試合を決めた。「みんなの声で集中できた」と振り返った。
勝負強い打撃に加え、勝利の裏には、継投した金城和尋と金城洸汰が今大会これまで30得点と打線が好調な沖尚を1得点に抑えた好投があった。ノーシードから勝ち上がり勢い付く北山。「強いチームを倒して自信が付いた」(新城翼主将)と選手たちが甲子園までのあと2勝に挑む。
(屋嘉部長将)
<16日の結果>
▽準々決勝
糸満 6―3 美来工科
興南 4―3 那覇
北山 6―5 沖縄尚学
嘉手納 9―6 中部商