「明治150年」祝賀を批判 自己決定権シンポ 識者「琉球併合は国際法違反」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
明治150年を問うシンポジウムで琉球併合の不当性などを指摘する登壇者=22日、浦添市社会福祉センター

 「命どぅ宝!琉球の自己決定権の会」の公開シンポジウム「琉球・沖縄にとって明治維新150年とは何か」が22日、浦添市社会福祉センターで開かれた。松島泰勝龍谷大教授、詩人の高良勉氏が登壇した。登壇者は1879年の琉球併合(「琉球処分」)について「国際法に違反している」と指摘し、全国的に明治150年が祝われていることを批判した。日本政府による沖縄への同化政策や在沖米軍基地問題などを挙げ、日本の植民地主義が明治期から現在まで続いていることを指摘した。

 高良氏は「財政破綻状態にあった薩摩藩が倒幕の主力にまでなった背景には、奄美・沖縄からの収奪と琉球国を利用した中国との密貿易がある」と述べた。

 その上で「明治維新は内戦の中で成就したテロリズム、暴力革命だ。『処分』された琉球の立場からも、国際的に暴力革命が否定されている状況からも、明治150年を祝福することはできない」と語った。

 松島教授は、鹿児島県の資料館などで展示されている明治150年に関する資料や説明に関し、「琉球国の独立性を否定する文言があり、支配を正当化している。琉球への侵略と搾取に対する謝罪もないまま、帝国主義を再評価する祭りが公的機関で行われているのは問題だ」と批判した。

 昭和初期に旧帝国大学の人類学者が沖縄から遺骨を持ち去った問題については「国内法にも国際法にも違反している。琉球の脱植民地化運動の一環として、裁判を通して遺骨を返還させたい」と語った。