県民投票求める署名10万千筆に 有効署名数約2万3千筆で県民投票条例を直接請求へ


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県民投票条例の制定を求める署名の最終集計が10万筆を超えたことを発表する「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表(前列中央)ら=30日、県庁記者クラブ

 米軍新基地建設に伴う名護市辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票の実現を目指す「辺野古」県民投票の会は30日午前、県庁で記者会見を開き、直接請求を行うために集めた署名が約10万千筆に上ったことを発表した。

 会見で元山仁士郎代表は署名収集について「私たちは多くの県民が県民投票を強く望んでいることを実感した」と振り返った上で、『軍事的に沖縄である必要はないが、本土の理解が得られないから』と強権を振りかざして国策を強行する政府に抗するためには、私たち沖縄県民が民主主義の原理に基づき、主権者としてしっかりと『民意』を明確に示すことが重要だ」と強調した。政府に対し、県民投票が実施されるまで辺野古埋め立て工事を中止するよう強く要請した。

集めた署名簿を那覇市選挙管理委員会の松田義之委員長に提出する「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表=30日午前11時すぎ、那覇市役所

 若者や法律家、経済人や芸術家などでつくる「辺野古」県民投票の会は、辺野古埋め立て賛否を問う県民投票条例制定の直接請求に向け、5月23日からの2カ月間で10万979筆の署名を集めた。41市町村全てで有権者の2%を超えた。

 同会の副代表の新垣勉弁護士は「私たちが県民投票で民意を明確にすることができれば、日本の民主主義の歴史の中で大変画期的な結果になる。民意を基本にして成立している社会で、都道府県レベルで示された民意を無視して中央集権的な政治や施策が実行しうるのか、問われることになる」と指摘した。

集めた署名が約10万千筆に上ったことを発表する「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表ら=30日午前10時すぎ、県庁

 記者会見の後、同会の請求代表者らは同日、各市町村選挙管理委員会に署名簿を提出した。元山代表らは那覇市選挙管理委員会に3276冊の署名簿を提出し、対応した古謝秀和副参事は「署名した1人1人の思いを大切に、審査を正確に間違いのないように進めていきたい」と述べた。署名簿は各市町村の選管で20日以内に有効審査が行われ、同会に返却される。有効署名数が直接請求に必要な約2万3千筆に達していれば、翁長知事に県民投票条例を直接請求する。【琉球新報電子版】