聴聞延期「やり方悪質」 市民、防衛局に憤り 辺野古新基地


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 辺野古新基地建設を巡り、沖縄防衛局が県に聴聞期日の延期を求める変更申出書を提出したことを受け、基地建設に反対する市民からは「やり方が悪質」「期間中は工事を止めるべきだ」などと防衛局に対する批判が相次いだ。

 沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんは「撤回までに土砂を入れようという考えだろう。ひどいやり方だ」と憤った。防衛局が聴聞の期日までに「相当な期間」を要すと主張していることについて「県は何度も行政指導をしてきた。防衛局は十分に準備してきているはずだ」と指摘。「土砂投入前に何とか撤回をしてほしいというのが県民の願い。工事が進むのなら県は聴聞の日を延ばすべきではない」と訴えた。

 ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表も、工事を進めながら聴聞の期日を先延ばしにする防衛局の姿勢は「極めて悪質だ」と憤り、調査期間は工事を止めるのが妥当だと協調した。土砂投入後に聴聞の期日を設定することで「県民に『取り返しがつかない』という印象付けを意図的に行っている」と主張した。

 一方、県の対応の遅さや楽観的な姿勢を批判する声もあった。7月に謝花喜一郎副知事と直接面談した元裁判官でうるま市具志川9条の会の仲宗根勇共同代表は「何が何でも基地を造りたい政府が、県の求め通りに応じるはずないことは分かりきっていた」と断言。2~3週間で聴聞手続きが終わり、土砂投入を阻止できると読んだ県の考えは「あまりに短絡的で甘過ぎだ」と批判した。