「M」「ダイヤモンド」熱唱 元プリプリ・岸谷がライブ


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アンコールで「ダイヤモンド」を歌う岸谷香(右)=7月29日、那覇市の桜坂劇場

 元プリンセスプリンセス(プリプリ)のボーカルでシンガー・ソングライターの岸谷香の全国ツアーライブ「KAORI PARADISE 2018 The history of Kaori’s line」が7月29日、沖縄県那覇市の桜坂劇場から始まった。35年にわたる音楽活動をソロやプリプリ時代の曲など全12曲と共に振り返り、満員の観客を盛り上げた。

 ライブは「ジュリアン」(1990年)で幕を開けた。岸谷は、16歳で受けたオーディションを経てプリプリの結成に至ったことや、当時は曲を忘れないように公衆電話から自宅の留守番電話にメロディーを吹き込んでいたことなどを紹介した。プリプリの曲を聞いて青春時代を過ごしたと思われる観客たちは、岸谷の姿を目を輝かせながら見つめていた。

 プリプリ時代と変わらない、かわいらしくもパワフルな歌声を響かせた2曲目「世界でいちばん熱い夏」(87年)は歌い出しの一瞬で、観客の胸に青春時代の甘酸っぱい思い出をよみがえらせた。90年にプリプリの全国ツアーのテーマ曲として作った「OH YEAH!」では、会場全体が拳を振り上げて盛り上がった。

 ライブ中盤では、昨年岸谷が結成したガールズバンドのメンバーであるHALNA(ベース・コーラス)、Yuko(ギター・コーラス)、Yuumi(ドラム・コーラス)も登場した。YukoとYuumiは沖縄出身バンドFLiPのメンバー。岸谷は3人と1月に出したミニアルバム「Unlock the girls」より「BOY」「Signs」を歌ったほか、新曲「また恋ができる」を披露した。アコースティックな演奏とメンバーの仲の良さが伝わるMCが場を和ませた。

 最後は岸谷が「作ったときは好きではなかったが、歌うたびに心が入っていった」と振り返る「M」(89年)をピアノでしっとりと聞かせた。アンコールでは、「ダイヤモンド」(89年)を力強く歌い上げた。拍手と指笛が響く中、「また来年。元気でね」と笑顔で手を振り、ライブを締めくくった。
 (藤村謙吾)