若者「基地なき未来を」 県民大会に参加


この記事を書いた人 アバター画像 宮里 努
初めて県民大会に参加した(左から)富川結旦さん、稲嶺このみさん、嘉陽田紗季さん、大城妃南子さん=11日、那覇市の奥武山公園陸上競技場

 沖縄の未来は、私たちの未来だ―。名護市辺野古の新基地建設反対の意思を示した11日の県民大会には、年配層に交じって、10代や20代の若い参加者も目立った。「県民の一人として、できることをしたい」「平和な沖縄で子どもたちを育てたい」。建設阻止を訴え日本政府と対峙(たいじ)してきた現職知事の翁長雄志さんの死に直面し、導かれるように県民大会に初めて足を運んだ若者も少なくなかった。年齢や性別、職業は違っても、古里への思いは一つ。「沖縄にこれ以上、基地は要らない」 

 沖縄キリスト教学院大学3年の稲嶺このみさん(20)は初めて県民大会に足を運んだ。県知事の翁長雄志さんが亡くなり、大きな衝撃を受けた。翌朝、目が腫れるほど泣いた。「どうしたらいいのか」。友人らに無料通信アプリのLINE(ライン)で相談した。出した結論は「今できることは大会に参加すること」。友人に呼び掛け、同じく大会初参加の同級生3人と参加した。

 うるま市に住む稲嶺さんは、日頃から夜10時以降も上空を飛び交う米軍機の騒音に憤りを感じてきた。窓を開けたままだと、テレビの音が聞こえなくなることもある。「ここ最近、特にうるさくなっている。基地はいらないと感じる」と語気を強めた。今月末には留学のため渡米する。離れている間に沖縄がどうなってしまうのか、不安を募らせる。「米国で、日米両政府が沖縄で基地建設を強行してると知ってもらうことも私の役目だと思う」

 友人の大城妃南子さん(20)=浦添市=も「子供たちに残すべき海を、県外からも土砂を持ってきて埋め立てようとしているなんて」と憤る。

 嘉陽田紗季さん(20)=那覇市=、富川結旦さん(20)=同=も思いは一緒だ。富川さんは基地内で働く友人もいるし、自身も基地開放日には遊びに行く。「でも、限られた沖縄の自然を壊し、新しい基地を造るのはやめてほしい」と訴えた。