サンゴと藻類 共生1.6億年 気候変動に耐性も 琉球大准教授ら発表


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褐虫藻と共生するサンゴ類=西表島のサンゴ礁(琉球大学のライマージェイムズ准教授提供)

 琉球大学理学部のライマー・ジェイムズ准教授の研究チームはこのほど、サンゴ類と藻類の共生関係が恐竜が繁栄していた1億6千万年前から続いていると発表した。研究チームは「共生しながら、恐竜が絶滅した気候変動も耐えている。少なくとも一部は現代の地球温暖化にも耐え得る可能性がある」と話している。研究成果は9日、科学誌「カレントバイオロジー」にオンラインで掲載された。

 チームは沖縄を含む世界中の熱帯、亜熱帯地域の海からサンゴ類とそこに共生する藻類を採取し、DNA配列や系統分析、ゲノム比較などを行った。その結果、5千万~6500万年前からだと考えられてきた共生関係が、大きくさかのぼった古い関係であることが分かった。

 併せて行った解析結果で、サンゴに共生していた褐虫藻は、これまで一つの属に集中していると考えられていたが、少なくとも15属によって構成され、数百種から数千種を含んでいることが明らかになった。ライマー准教授は「今後もさらに未知の新属が発見される可能性がある」と示唆した。